こんにちは。
今日は夜勤なのでゆっくりです笑。
夜に備えて体調を整えながら、やることやります笑。
今日のテーマは「誕生日」について書いてみたいと思います。
昨日6月7日は特養利用者92歳の誕生日でした。
そして自分が出勤してユニットに入ったときには、この利用者は不穏な状態でした。
「娘から電話が来ても俺に取り次がないでくれ!俺は誕生日だからといって特別なことはしないんだ!」
何度も繰り返し訴えてきます。
この利用者は、認知症があります。
口癖のように「わからない」を繰り返す利用者です。
自分の勤めている施設では、時々オンライン面会をします。
この利用者もこの日はオンライン面会の日でした。
傾聴をしているとこの利用者はオンライン面会をわざわざ誕生日だからといってやりたくないということを言っているようです。
しかし誕生日だということは理解しているようでした。
「おれ、わからなくなっちゃったんだけど、ここでいつも誕生日お祝いしてくれるの?」
傾聴していると利用者からこのような言葉が出るようになりました。
この時点では不穏な様子もなくなり、だいぶ落ち着いていました。
この利用者はショートステイから長く利用されている方で、誕生日は毎年のように施設でやっています。
そして今年は特養に入所されたので、場所は違いますが今年も誕生日を施設で迎えることになりました。
記憶の何処かに施設で誕生日をしたことを覚えていたようです。
自分は少し嬉しくなりました。
そして、15時のおやつの時間になりました。
自分の勤めている施設では誕生日会として、ケーキを出しておもてなしします。
電気を消して、いざ誕生日会スタートです。
「ハッピバースデートゥーユー♪」
ロウソクの火がケーキを照らし、薄暗い空間を柔らかな雰囲気で包みます。
始めは自分だけが歌っていましたが、次第にこの利用者も歌いだし、二人で大きな声で歌いました。
利用者の前にケーキを置くと、一生懸命にロウソクの火を吹き消しました。おめでとう!
その後ケーキを切り分け、他の利用者にも提供します。
美味しそうなケーキが配られると、他の利用者からも「誕生日おめでとう!」とやっと声が上がります笑。
ケーキを美味しそうに食べて、一滴残さずコーヒーを飲み干すと、次は娘さんとのオンライン面会です。
恥ずかしそうに娘さんとの会話をされていましたが、あれだけ嫌がっていたのに、とても嬉しそうに会話していました。
娘さんからも誕生日のお祝いの言葉をもらい、とても喜んでいました。
10分ほどのオンライン面会を終え、疲れたようで横になりたいと本人の希望で、臥床しました。
横になるときも嬉しそうに感謝していました。
そして10分後。
センサーが反応し、この利用者の元に行くと、
「おれ何してるんだ?」
「なんでここにいるんだ?」
今日は誕生日でケーキを食べてみんなでお祝いしたことを伝えても、不思議な表情をしています。
そして、不穏になります。
「そんなバカな!誰も誕生日なんてやってないよ!嘘つかないでよ!」
もう笑うしかありません笑。
利用者はそのままベッドで寝てしまいました。
自分はこの利用者が忘れてしまったことは残念ですが、一緒に誕生日ができたことは嬉しかったです。
二人で歌ったハッピバースデーも自分の記憶には残りました。
そして写真も撮りましたので、そのうち本人にも見せたいと思います笑。
本人は不思議に思うでしょうね笑。
認知症には記憶障害があります。
特に短期記憶は忘れやすいです。
でも記憶に残らなくても、感じることはできます。
間違いなく誕生日会をした時は喜んでいました。
ハッピバースデーも歌ったし、ケーキも美味しそうに食べていました。
その瞬間は楽しんでもらえたと思います。
認知症で記憶には残らないかもしれないけど、その瞬間を楽しんだ利用者がいます。
自分はそれで良いと思います。
いずれこの利用者は自分のことも忘れるかもしれません。
誕生日会で一緒に歌ったなんて覚えてないでしょう笑。
でもその瞬間を一緒に過ごし、楽しく誕生日を過ごしたのは事実です。
その時を楽しむ。今を楽しむ。その瞬間を楽しむ。
それだけでも誕生日をした意味はあったと思います。
この利用者と一緒に誕生日がお祝いできて良かった。
自分はこの瞬間を忘れません。
そしてまたいつか写真でも見ながら話しができたら良いですね。
この日の楽しかったことを‥。
今日もご覧いただきありがとうございました。
また会いましょう。
継続は力なりと自分に言い聞かせる笑。