こんばんは。
今日はやっと休みです。
ワークライフバランス大事ですね。
まずは休むことに専念します笑。
よーし、楽しむぞー笑。
今日のテーマは「もしかして…」について書いてみたいと思います。
以前ブログに出てきた「旦那さんを気にしていた利用者」が、今日も朝一番で自分を手招きして呼んでいます。
この利用者の話を傾聴すると、こんなことを言っていました。
「トイレから水漏れしているのよ」
「水浸しで修理してもらわないとトイレに行けない」
そしてこの利用者の居室にあるトイレに行きました。
しかし、水漏れもしてないし水浸しにもなっていません。
利用者に確認しました。
すると、
「ほら、ここ(トイレの裏を指差して)から水が漏れてるでしょ」
「床も水浸しでベッドのところまで来てるでしょ」
と焦った様子で話しています。
新聞紙で水が漏れていると言っている場所を拭き取り、新聞紙が濡れていないことを伝えると、
「あれ、濡れてないね」
「昨日も女の人(職員)に話をしたら、私が幻覚を見ていると言われたの」
「もしかして…私がおかしくなったのかしら…」
どうやらこの利用者は異変に気づいたようです。
<戸惑い>
認知症のBPSD(周辺症状)には幻覚があります。
幻覚には、幻視や幻聴といった症状があります。
この利用者は軽度ですが認知症があります。
今までは幻覚の症状がありませんでしたが、認知症が進行している可能性があります。
このように「いつもとは何か違う」と感じたことは「気づき」として相談員やケアマネに報告が必要です。
この気づきが介護には大事になります。
そして、利用者本人も自分の言葉に疑問を感じていました。
昨日と今日、水漏れしていると思ったのにしていなかった。
水浸しにもなっていなかった。
これはおかしい。
しかし、この利用者はまた幻覚を見るでしょう。
こうやって初期(軽度)の認知症の利用者は日々戸惑いながら生活しています。
<否定しない>
では、どのようにしてこの利用者に対応していくのが良いのか。
まずは「否定しないこと」です。
以前の自分のブログでも書いていますが、否定することが一番やってはいけないことです。
たとえ事実が間違っていたとしても本人は間違っていないと思っています。
その問題を否定することは、その利用者を否定することになります。
否定すると利用者は混乱し、時にはその場所にいるのが嫌になり、逃げ出そうとしたりします。
帰宅願望に繋がることもあります。
そんな状態では信頼関係は築けないので、結果介護はうまく行きません。
なので、否定することなく傾聴受容共感は介護の基本になります。
否定せずに共感するにしても、今回のように明らかに事実ではない場合(水漏れしていない)には共感するのが難しいと思います。
事実を何度説明しても理解してもらえないこともあります。
利用者本人にとっては事実は事実ではないので、事実を伝えても逆に職員が疑われます。
そんな時は、「しっかりと受け流すこと」も大事です。
たとえば、今回の場合では水漏れでトイレが水浸しになっているとのこと。
しかし、事実は水漏れしてませんし水浸しにもなっていません。
そして昨日から同じことを繰り返しています。
きっと本人には幻覚が見えているので、職員の言葉が信じられないでしょう。
いつになったら修理に来てくれるのか、心配していると思います。
<納得して安心すること>
「しっかりと受け流す」とは。
本当に起きているかのように対応するということです。
この場合であれば、「水漏れしているかのように修理する」ということです。
実際には、壊れていないけど修理をするフリをします。
できれば業者に来てもらえたら最高でしょうけど、職員でも大丈夫です笑。
「修理しました」という紙を貼ってきたり、本人に渡したりして証拠を残すのも良いと思います。
そして、ここで大事なのは「本人が納得し安心すること」です。
その場しのぎではありますが、本人が納得しなければ解決しません。
本人の意見を尊重することが大事になります。
ちなみに、このやり方はこの利用者のこの時だから有効であって、場合によっては通用しないかもしれません。
その利用者に合った対処方法がありますので、それを見つけるのが良いと思います。
「どうすれば納得して安心してもらえるのか」
そのためには普段から利用者のことを観察し、情報を集めておく必要があります。
今日は修理しましたが、明日は修理では通用しないかもしれません。
通用しなければ次の方法を考えるだけです。
介護にはこういう場面がたくさんあります。
<心のケア>
介護をしていると認知症の利用者の変化が見えてきます。
特に長く利用されている場合には、突然昨日までとは様子が違うなんてこともあります。
その変化に気づくことが大事です。
そして、その利用者に合わせた対処をしていく。
一人で考えず、チームみんなで考えていく。
利用者は職員を頼りにしています。
認知症の初期(軽度)の段階では、特に自分自身の行動の変化に戸惑い、そして不安になります。
こんな時は心のケアが必要です。
認知症の周辺症状(BPSD)は「行動・心理症状」と呼ばれるほど、心理にも関係しています。
もし利用者が幻覚を見ていたり、事実とは違うことを言っていたりした場合には、否定せずに傾聴してください。
そこからは、介護する側のチカラの見せ所です。
どうすれば納得して安心して過ごすことができるか。
きっと相手の気持ちになって考えてみると答えが見えてきます。
これは認知症があってもなくても実は同じです。
自分は介護をしているとつくづく思います。
それは「気持ちは伝わる」ということです。
頭で考えるだけではダメです。
相手の気持ちになってみたり、寄り添ってみたり、相手の立場になってみたりすると、見えてくるものがあります。
それがきっと答えに繋がっていると思います。
<自分自身のケア>
しかし相手の気持ちになってみることは時には辛いこともあります。
特に認知症の気持ちになるのは辛いこともあります。
なので、相手のことばかり考えないで自分自信を取り戻すことも必要です。
時には趣味を楽しんだり、何もしないでぼーっと休んだり、とにかく自分のやりたいことをやる。
自分自身を取り戻す。
そして自分らしく生きる。
自分自身に時にはご褒美をあげる。
こんな工夫をしながら自分自身を取り戻してください。
介護をしていれば、相手の気持ちに寄り添うのが日常です。
そこから解放されることも大切です。
もし介護をしていて辛いと感じたら要注意です。
そんな時はケアマネや周りの職員と相談して、しっかりと自分自身をケアしましょう。
そしてまた元気に介護しましょう!
介護を楽しみましょう!
このブログが少しでも皆さんのお役に立てば嬉しいです。
ファイト!
今日もご覧いただきありがとうございました。
また会いましょう。
継続は力なりと自分に言い聞かせる笑。