こんにちは。
今日は休みです。
久しぶりの朝活、やっぱり朝に活動するのはいいですね。
気持ちが違います。
一昨日コロナワクチン接種しました。
自分は7回目になります。
高齢者施設に勤めていると、昨年まではコロナワクチン接種がほぼ強制的に勧められていましたが、現在は自己判断で接種できます。
コロナワクチン接種すると、発熱や倦怠感など副作用が出る可能性があるので、接種した翌日は休みになります。
公休なので特別な休みでは無いのですが、夜勤明け以外での休みは嬉しいですね。
副作用が出ないことを祈りつつ、楽しんでいきましょう!
今日のテーマは「ノーマライゼーション」について書いてみたいと思います。
目次
先日のことです。
ショートステイの利用者はいつも仲良く楽しそうに過ごされています。
利用されている方々は、後期高齢者や認知症、耳が遠かったり、歩行が困難だったり、家族の都合など、人それぞれ理由があります。
そんな方々がひとつ屋根の下で短期間(ショートステイ)ではあるものの、一緒に生活を共にします。
ショートステイは、定期的に利用される方が多いのですが、中には1ヶ月ほど長期で利用される方もいます。
最近では、家族が入院するので長期利用になったり、冬の間の高齢者の一人暮らしは暖房の取り扱いが心配ということで、利用されている方もいます。
長期利用になってくると、普段は何も問題なく利用されていても、何らかの問題が出てきます。
これは今までの経験上、長期利用すると少なからず出てきます。
今回、長期利用している利用者(以下長期利用者とします)が滞在2週間を過ぎた頃に、職員にこんなことを言ってきたそうです。
「〇〇さん(利用者)といつも隣の席なんだけど、離してもらえませんか?」
〇〇さんと長期利用者は、いつも一緒にいて仲良く会話されていました。
そんな仲良しの2人に一体何があったのでしょうか。
<親友は認知症>
長期利用者に話を聞いてみると、どうやら〇〇さんは同じ話を繰り返し聞いてきたり、話が通じないことがあるそうです。
〇〇さんは、軽度の認知症を患っています。
いつも明るく楽しそうに利用しています。
そして、〇〇さんは長期利用者のことを親友だと思っています。
それは普段の生活態度を見ればわかります。
しかし、長期利用者は一緒にいるのも嫌になってしまったようで、〇〇さんから話しかけられても、無視するようになってしまいました。
すると、〇〇さんは夕食後、寂しくてひとり居室で泣いていたそうです。
認知症だからといっても、理性や感情はあります。
親友から無視されたことが、辛かったのでしょう。
<無視>
自分はこの話を申し送りで聞いた時に、ショートステイの職員を集めみんなに相談しました。
・このままでは、〇〇さんは無視され続けてしまう。
・寂しい思いをしたまま、今後も利用していかなければならない。(もしくは、利用中止)
・2人の席を離した結果、〇〇さんは他の利用者と会話しようと頑張っているが長期利用者を気にしている。
・何とか長期利用者に〇〇さんのことを理解してもらえないだろうか。
すると、ある職員はその日開催されるクリスマス会で2人を隣同士にもう一度してみてはどうかと提案してくれました。
そして、お互いに楽しい時間を過ごしてもらえたら、少しずつ理解してもらえるのではないかと考えてくれました。
突発的ではありますが、クリスマス会で2人の仲を取り持ってみることにしました。
<隣に座れただけでも嬉しい>
クリスマス会が始まりましたが、長期利用者は〇〇さんとは会話せず、反対側の利用者と話をしています。
時々、職員が2人の中に入って話を盛り上げてみても、その時だけで2人は職員が居ないと会話することがありませんでした。
クリスマス会が終わり、参加していた利用者はそれぞれの居室に戻りました。
そして数時間後、夕食の時間となり〇〇さんは居室から出てきました。
いつもは長期利用者の隣に座るのですが、この時は申し訳なさそうに周りを見渡し、空気を読むようにして離れて座ろうとしていました。
自分は、その姿を見てられませんでした。
〇〇さんを長期利用者の席の隣に案内しました。
その後も長期利用者は、〇〇さんを無視するような感じで反対側に座っている利用者と会話していましたが、それでも〇〇さんは隣に座れただけでも嬉しそうでした。
そして、〇〇さんは夕食を食べ終わった後も、嬉しそうに居室に戻って行きました。
<優先なんてない>
自分は長期利用者には申し訳ないことをしたと思っています。
〇〇さんを隣の席から離してほしいと言われていたので。
しかし、高齢者施設はいろんな利用者が集まってきます。
病気や認知症、家族の都合など人それぞれです。
そして、長く利用している人が優先ではありません。
ここは共同生活の場であることは、理解してもらわなければならないと思います。
確かに、嫌な人が隣の席に居たら、不快な思いをしたことでしょう。
もう利用したく無いなんてこともあるかもしれません。
<相手の立場になってみる>
では今まで仲良しだったのに、なぜそんなことになってしまったのでしょうか。
それは、職員の配慮に問題があると思います。
職員がもっと利用者のことを積極的に見守ることが必要だと思います。
高齢者施設にはいろんな利用者が入所されます。
それをまとめるのも、職員の役割です。
長期利用者から、席を離してほしいと言われた職員はその時、どう感じたのでしょうか。
それは、迷惑しているなら席を離してあげないといけないと考えたと思います。
しかし、ここがポイントだと自分は思います。
長期利用者は、住みやすい環境にしようという考えが無意識に働いて、職員に相談したと思います。
このまま1ヶ月間我慢して利用したくないですから。
長期利用でなければ、数日我慢すれば帰れるのでいつもとは違います。
この時に、利用者全員を同じ目線で見ることが大事です。
〇〇さんの立場からすると、やっと親友に会えたのに席が離れた所にされてしまう。
「なんで?」
そう思いませんか?
だって、〇〇さん本人は何も悪いことしてないんですから。
今まで仲良しだったのに、いきなり無視されたら泣きたくもなります。
いきなり席を離されたら寂しいです。
自分は、職員にはここまで先を読んでほしいと思います。
せめて相手の立場になってほしいと思います。
認知症の利用者は、判断することが難しくなっています。
〇〇さんの「会話していてわからないことを親友に聞くことで理解しようと頑張っている姿」は、長期利用者にも理解を求めなければならないし、職員が間に入ることで長期利用者への負担を減らしてあげることもできると思います。
<ノーマライゼーション>
人は無視されると辛いです。
無視された相手が親友だったらもっと辛いと思います。
そして、無視された理由もわからない。
いきなり席を離される。
これでは、〇〇さんは泣きたくもなります。
寂しくもなります。
どちらが優先ということではなく、お互いが相手のことを理解できるようにしてあげることも共同生活を送る上では大事なことだと思います。
そのためにも、常日頃から職員は利用者の様子を観察する力が必要です。
これが介護する側が大切にしなければならない「気付き」です。
そして、このような問題が発生したときに、円満に解決できる力も必要です。
円満に解決するためには「信頼関係」が必要です。
もちろん、その時のケースによっては利用者同士の席を離すことが適切であることもあると思います。
このような判断をするのは職員です。
1人で判断せず、「チーム」で話し合う。
そして、みんなで介護して行ってほしいです。
介護士は人を「支援」する仕事です。
お手伝いさんではありません。
支援するためには、「知識」も必要です。
身体の状態や普段からの様子、アセスメントなどの「情報」を「経験」と合わせて判断して行きましょう。
そして、みんなで明るい介護ができるように「楽しみましょう」。
自分なら老後は、暗い介護士さんに介護されるよりは、明るい介護士さんに介護されたいですね。
「気持ち」は伝わりますので。
「傾聴」と「受容」と「共感」を上手に活用して、相手を理解しましょう。
信頼関係が構築され、介護が「楽」になります。
楽というのは、手を抜くことではありません。
介護する側もされる側も、やりやすくなる(効率良くなる)ということです。
介護は大変です。
介護士が不足しているのも現実です。
もっと働きやすい環境にしていかないと、誰も介護をやりたいとは思わないです。
誰でも歳を取ります。
老は必ず来ます。
これをマイナスに捉えずに、プラスに捉えられるように、歳を取っても安心して暮らせるような世の中になっていくことが、自分の理想です。
介護施設で働いていると、どうしても世界が狭くなります。
介護施設の中だけで生きている感覚になります。
もっと変わらなければならないと思います。
2024年度は介護保険制度改定の年です。
介護報酬改定(介護士の給料アップ)や科学的介護(LIFE)(利用者の利用内容、介護サービスを受けたことによる介護度の変化などをデータ収集するシステム)のさらなる推進など、良い方向にもっと早く取り組んでほしいと思います。
介護は人が生きている限り必要なことです。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ノーマライゼーション(英語: normalization、ノーマリゼーション)とは、1950年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害者も、健常者と同様の生活が出来る様に支援するべき、という考え方である。また、そこから発展して、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方としても使われることがある。またそれに向けた運動や施策なども含まれる。
ノーマライゼーション(normalization)は、「標準化」「正常化」という意味があり、それまで特別に行われていたものを一般化していくという考え方を示す。
元々は社会福祉の用語であり、 障害者や高齢者といった社会的な弱者に対して特別視せずに、誰もが社会の一員であるといった捉え方をするのがノーマライゼーションである。
社会的弱者に変化を求めるのではなく、社会のあり方そのものを変えることで、社会的弱者が生きがいを見つけ、役割を担っていける社会をつくりあげる必要があるという発想である。
<共感>
施設の中だけではなく、後期高齢者だろうが、認知症だろうが、障がい者だろうが、健常者だろうが、みんな同じ世界で生きています。
自分は、いろんな意味でノーマライゼーションが大事だと思います。
特別扱いではなく、みんな同じ。
みんな同じにするためには、どうしたら良いのか。
認知症の利用者は、どうしたら他の利用者と一緒に生活していけるのか。
認知症だけの問題ではありません。
世界は変わろうとしています。
世間からの介護の評価も、もっと良い方向に変わり、良い意味で境目のない世界になってくれたら良いと思います。
本来、介護って楽しいものです。
きつい、汚い、給料安いの3Kでは、誰も介護士になりたいと思いません。
来年からは、介護も福祉もノーマライゼーションがもっと世間に広まり、いつの日かみんなが相手のことを理解できる社会になるといいですね。
認知症だから無視されるでは、悲しすぎます。
無視されないような社会づくり(環境)が必要だと自分は思います。
相手を理解しようとする気持ちって大事ですよね。
相手の立場に立ってみる。
自分は介護やっていて、一番難しいことだと思っています。
最後は「共感」が大事ってことだと思います。
<思い(気持ち)は伝わる>
自分はブログをやっていて大切にしていることは、最後は共感できるかだと思っています。
皆様にこの思い(気持ち)が伝わるように。
下手な文章かもしれませんが、きっと誰かには届くと信じています。
皆様のブログを読ませて頂いていても、皆様の思いが伝わってきます。
自分はこれからも「共感」を大切にブログを書いて行きたいと思います。
<最後に>
今年は、念願のブログを始めることができました。
ここまで継続できたのは、皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
来年も、変わらぬご愛顧のほど、宜しくお願い致します。
そして、来年も皆様にとって良い年でありますように。
今日もご覧いただきありがとうございました。
また会いましょう。
継続は力なりと自分に言い聞かせる笑。